ポンコツを卒業した人は何を変えたのか
抜け出した人が共通して変えているのは、 能力ではなく前提のほうです。
5つに整理できます。
1. 「覚える」をやめた
いちばん多い変更点。
覚えようとするのをやめて、外に置くようにしました。 メモ、カレンダー、チェックリスト、定型フォーマット。
覚えていられる量には個人差がありますが、書ける量には差がありません。 ここを差の外に出した時点で、ミスの相当数が消えます。
2. 「頑張る」から「型を作る」に変えた
同じ作業を毎回考えて進めるのをやめ、一度だけ手順を作りました。
前:毎回ゼロから考える → 所要時間が読めない → 見積もりが外れる
後:型に沿って進める → 所要時間が安定する → 予定が立つ
周囲の評価がいちばん変わるのはここです。 ミスの数より、予定が読めるかどうかのほうが信用に直結します。
3. 早く言うようになった
分からないとき、詰まったとき、間に合わないとき。 遅く正確に言うより、早く不完全に言うほうが実務では価値があります。
「まだ様子を見てから」で溜めていたものを、 時間で区切って出すようにしました。
これは能力の変化ではなく、判断基準の変更でしかありません。
4. 比較対象を変えた
同僚と比べるのをやめて、先月の自分と比べるようにしました。
同僚とは経験年数も担当量も体調も違います。 条件の違うものと結果だけを比べても、情報が何も出てきません。
先月の自分となら、条件がかなり近いです。 変化が見えるので、効いた手と効かなかった手が分かります。
5. 場所を変えた
これがいちばん即効性がある変更だった、という人も多いです。
同じ人が、別の場所で普通に回ることは実際によくあります。
| 変えたもの | 効いた理由 |
|---|---|
| 部署 | 同時処理の量が減った |
| 職種 | 対人比率が変わった |
| 会社 | 手順書がある職場に移った |
| 働き方 | 割り込みが発生しない環境になった |
ここで大事なのは、逃げたのではないという点です。 自分の型が出ない場所に移した、という配置の変更でしかありません。
共通していないこと
逆に、抜け出した人がやっていないことも書いておきます。
✕ 性格を変えようとする
✕ 自分を厳しく責める
✕ 全部を一度に直そうとする
✕ 診断名を探しに行く(このサイトはその話を扱わない)
「全部を一度に」がとくに失敗しやすいです。 上の5つも、実際には一つずつ、数ヶ月かけて入っています。
卒業したあとに残るもの
抜け出しても、「自分はポンコツだった」という記憶はしばらく残ります。
それが消えるのは、次の場所で普通に回った瞬間です。 そのときになって初めて、あれは性能の話ではなかったと分かる、という順番になります。
そして多くの人が、その経験を持っていることが強みになると言います。 詰まっている人が何に詰まっているのかが分かる、という形で。