ポンコツでも出世する人がいるのはなぜか
明らかに手際が悪いのに、なぜか昇進していく人がいます。 逆に、ミスひとつしない人が何年も同じ位置にいます。
不公平に見えますが、評価している項目が違うだけです。
実務の正確さは、昇進の主要因ではない
昇進で見られているのは、たいてい次のほうです。
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 他人を動かせるか | 自分でやらずに、people を通じて結果を出せるか |
| 判断できるか | 情報が足りない状態で決められるか |
| 上に届くか | 決定権を持つ人に見えているか |
| 数字を持っているか | 責任範囲に測れる成果があるか |
「ミスをしない」はここに入っていません。
正確さは担当者としての評価には効きますが、 管理する側の評価軸に切り替わった瞬間、重みが落ちます。
ポンコツが有利に働く場面がある
意外に思われますが、実際にあります。
1. 人に頼るのが早い
自分でできないと分かっているので、最初から人に振ります。 これは管理職の動き方そのものです。
何でも自分でできる人ほど抱え込みやすく、 管理職になった途端に飽和する、というのはよくある話になっています。
2. 完璧を目指さない
決断が速いです。60点で出して修正します。 判断の回数が多いので、判断の経験が早く積み上がります。
3. 隙があるので情報が集まる
構えられないので、悪い報告が上がってきやすいです。 問題の発見が早くなります。
4. 失敗慣れしている
責任のある位置ほど失敗の規模が大きくなります。 そこで折れない耐性は、実務の正確さとは別の資質です。
ただし条件がある
上が成立するには、前提が要ります。
① 何か一つ、明確に結果を出したことがある
② 頼るときに、相手の手間を数えている
③ 判断の結果を引き受けている
②③が無いと、ただの丸投げになります。 「ポンコツだから」を理由に人に押し付けている人は、当然だが評価されません。
差が出るのは能力ではなく、この2つがあるかどうかです。
正確なのに上がらない場合
逆側の話も書いておきます。
ミスがなく、丁寧で、任せられるのに評価が動かない——という状態には、 だいたい共通の原因があります。
| 原因 | 対処 |
|---|---|
| 成果が見えていない | 何をやったかを、数字と一緒に報告する |
| 決定権のある人と接点がない | 会議で一度は発言する。存在を認識させる |
| 頼まれた仕事だけをしている | 自分で範囲を広げないと、範囲は与えられない |
| 断らないので便利屋になっている | 引き受ける基準を作る |
3行目が一番多いです。 指示を正確にこなすことは、指示を出す側への昇格の材料になりません。
どちらが良いという話ではない
ポンコツでも上がる人がいて、正確でも上がらない人がいます。
これは能力の優劣ではなく、評価軸との噛み合わせの結果です。 そして評価軸は、組織によってかなり違います。
同じ人が、別の組織では正反対の評価を受けるというのは、実際に起きます。