職場がポンコツばかりだと感じたとき
一人がポンコツなら個人の話ですが、全員がそう見えるなら別の話です。
同じ場所に能力の低い人だけが集まる確率は高くありません。 たいていは、その職場の仕組みが人をそう見せています。
人ではなく仕組みを疑う根拠
以下が揃っている職場では、誰が入っても同じ結果になります。
| 条件 | 何が起きるか |
|---|---|
| 手順が明文化されていない | 全員が我流。品質が人依存になる |
| 指示が口頭のみ | 言った言わないが常態化する |
| 引き継ぎがない | 前任者の知識が消える。毎回ゼロから |
| 一人あたりの担当が広すぎる | 全部が中途半端になる |
| 決定者が不在 | 判断待ちで止まり、最後に慌てる |
| 教える人が評価されない | 誰も教えない。新人が育たない |
3つ以上当てはまるなら、個人の能力の話ではありません。
「ポンコツばかり」に見える別の理由
仕組み以外の原因もあります。順に確かめる価値があります。
1. 人が定着していない
できる人から辞めていく職場では、 残っている人の平均が下がり続けます。 いま見えている光景は、結果であって原因ではありません。
2. 自分の基準が高い
前職の水準が高かった場合、相対的に全員が遅く見えます。 これ自体は悪くありませんが、言動に出ると孤立します。
3. 自分が把握しきれていない
他人の仕事の全体像が見えていないと、 見えている部分の粗さだけが目に入ります。
この状況で消耗するもの
「周りがポンコツ」と感じている状態が続くと、実害が出ます。
・自分の仕事が増える(できる人に寄る)
・イライラが常態化して、判断が雑になる
・「自分だけがまとも」という位置に立ち続けると、味方がいなくなる
3つ目がいちばん危ないです。 正しくても、周囲との断絶が進むと仕事は回らなくなります。 そして評価は「協調性がない」という形で返ってくることがあります。
できること
| やること | 効き方 |
|---|---|
| 自分の担当範囲だけ手順を作る | 自分の消耗が減る。他人は変えられないが自分は守れる |
| 口頭指示を必ず文字に残す | 責任の所在が動かなくなる |
| 引き受ける量に線を引く | できる人に仕事が寄る構造を止める |
| 改善提案は一度だけ出す | 通らなければ、その組織は変わらないと分かる |
最後の行が判断材料になります。 提案が通るかどうかではなく、提案が検討されるかどうかを見ます。 検討すらされない組織は、この先も変わりません。
変わらないと分かったあと
仕組みの問題は、個人では解けません。 それが分かった時点で、選択肢は3つに絞られます。
① 諦めて、自分の担当範囲だけ守る(消耗は続くが生活は維持できる)
② 部署を移る(同じ会社なら、仕組みが同じ可能性は残る)
③ 離れる
どれが正しいということはありません。 ただ、①を選んだつもりで実は消耗し続けている、という状態は避けたほうがいいです。