ポンコツ社員と呼ばれる人が抱えているもの
「ポンコツ社員」と呼ばれる状態は、たいてい一つの原因では説明がつきません。
能力・環境・関係・体調が同時に絡んでいて、 本人からは全部が「自分の能力の問題」に見えています。
起きていることを分解する
| 層 | 具体 | 本人からの見え方 |
|---|---|---|
| 能力 | 経験不足・手順を持っていない | 「自分は仕事ができない」 |
| 環境 | 口頭指示のみ・引き継ぎゼロ・同時進行が多い | 見えない(他が同じ条件だと思っている) |
| 関係 | 聞ける相手がいない・質問すると空気が悪くなる | 「自分の聞き方が悪い」 |
| 体調 | 睡眠不足・慢性的な疲労 | 「気合いが足りない」 |
下の3層は、本人の努力ではほとんど動きません。 にもかかわらず、結果は全部本人の名前で記録されます。ここがこの状態の苦しいところです。
「ポンコツ社員」というラベルの効き方
一度そう見られると、評価の読まれ方が変わります。
ミス →「やっぱり」として記録される
うまくいく →「たまたま」として処理される
同じ実績でも、ラベルの有無で解釈が反転します。 だからラベルが付いたあとは、実力が上がっても評価が追いつくまでに時間がかかります。
さらに厄介なのが、仕事が回ってこなくなることです。 難しい仕事が来なくなると経験が積めず、差は実際に開いていきます。 数年後、その差が「やっぱりそうだった」の根拠として使われます。
本人ができること
環境と関係は動かしにくいですが、手を打てる範囲もあります。
1. 記憶に頼るのをやめる
指示を受けた場で、その場で書きましょう。書く場所を一つに決めましょう。 これだけでミスの半分近くが消えることがあります。
2. 確認を工程に埋める
最後にまとめて見直すのではなく、 作りながら確認する箇所をあらかじめ決めておきます。
3. 早く報告する
ミスの大きさより、発覚が遅れることのほうが実害が大きいです。 報告が速い人は、ミスが多くても扱いやすい人として扱われます。
4. 記録を残す
いつ何を指示され、いつ提出したか。 評価に納得がいかなくなったとき、唯一の材料になります。
手を打っても変わらない場合
上を全部やっても状況が動かないことがあります。
そのときは、能力の問題ではない可能性を検討したほうがいいです。
- 業務量が一人分を超えている
- 手順が誰の頭にもない(前任者が退職している)
- 特定の相手との関係だけで評価が決まっている
これらは個人の工夫では解けません。 解けない問題を努力で解こうとしている期間は、消耗だけが進みます。
限界のサイン
判断の目安を置いておきます。
・日曜の夕方に体調が崩れる
・出勤前に吐き気がある
・休日に何もできない
・疲労でミスが増え、そのミスでさらに疲労している
最後の一つが出ていたら、努力の効き目はもう出ない段階です。