ポンコツの治し方──直る部分と、直らない部分

「直したいのに治らない」という状態は、 たいてい直せない部分に手を入れていることで起きています。

まず切り分けます。


直る部分

症状打ち手効きやすさ
忘れるその場で書く。書く場所を1つに固定する◎
確認漏れ最後にまとめて見るのをやめ、工程に埋める◎
手順が毎回違う一度だけ手順書を作る。以後はそれに従う◎
期限が守れない逆算せず、着手日を決める○
報告が遅い迷ったら報告する、を先に決めておく◎

共通しているのは、どれも「仕組みの追加」であることです。 努力や注意力を増やす方向ではありません。


直らない部分

症状なぜ直らないか
気づく力そのもの注意の向き方は、意識では変えにくい
同時処理の上限個人差が大きい。訓練で伸びる幅は限られる
処理の速さ慣れで上がるが、上限がある
疲れやすさ体質・生活条件による

ここに努力を投入すると、消耗するだけで結果が出ません。

「治らない」と感じている人の多くは、 直る部分を放置したまま、直らない部分を気合いで直そうとしています。


直らない部分の扱い方

直らないなら、出ないようにします。

気づけない        → 気づかなくても回る形にする(チェックリスト・自動化・二重確認)
同時処理が苦手    → 同時に来ない配置に移る/時間帯を分ける
処理が遅い        → 速さで勝負しない仕事を選ぶ
疲れやすい        → 睡眠を先に確保する。ここは削らないと決める

**「直す」ではなく「出ない条件を作る」**に切り替えると、 同じ人が同じ能力のまま、結果だけが変わります。


順番を間違えない

全部を一度にやると失敗します。効く順番があります。

① 睡眠     ここが崩れていると、以下は全部効かない
② 記録     記憶に頼るのをやめる。これだけで大きく減る
③ 手順     頻度の高い作業を一つだけ型にする
④ 報告     迷ったら出す、を決める
⑤ 配置     ①〜④で足りなければ、置かれる場所を変える

①を飛ばして②から始める人が多いですが、効きません。 睡眠が足りていない状態では、記録を取ること自体が続きません。


それでも変わらないとき

①〜④をやっても結果が動かない場合、原因は環境側にあることが多いです。

  • 業務量が一人分を超えている
  • 手順が誰の頭にもない
  • 仕様が固まる前に着手させられている

これらは個人の仕組みでは吸収できません。 ⑤(配置を変える)の検討に進む段階になります。 (→ポンコツな自分に向いてる仕事の探し方)


「治す」という言葉について

最後に一つ。

「治す」は、病気に使う言葉です。 自分の仕事の進め方に対して使っていると、 うまくいかないことが異常であるという前提が入り込みます。

実際には、手順を持っていないだけであることが多いです。 持っていないなら、作ればいいのです。それは治療ではなく準備の話です。


関連