ポンコツすぎて生きづらい人へ

「生きづらい」という言葉が出てくるときは、 たいてい仕事だけの話ではなくなっています。

部屋が片づきません。手続きが進みません。連絡も返せません。 そのどれもが少しずつ滞って、全部が重なっています。


「全部できていない」ように見えているとき

まず確かめたいことがあります。

本当に全部なのか、それとも一部が目立っているだけなのでしょうか。

生きづらさが強い時期は、できていないことだけが視界に入ります。 できていることは意識に上らないので、数に入りません。

できていないこと  →  はっきり覚えている(何度も思い返す)
できていること    →  当たり前として処理される(記憶に残らない)

これは記憶の仕組みの問題であって、性格の問題ではありません。 「全部ダメ」という実感は、ほぼ確実に事実より重いです。


滞りが連鎖する構造

生活の中の滞りは、単独では終わりません。

書類を出せない
 ↓
期限が過ぎる。開けるのが怖くなる
 ↓
封筒が溜まる
 ↓
見るだけで疲れるようになり、さらに開けられない

元の一件は5分で終わる作業だったりします。 それでも動けないのは、意志の問題ではなく、 負荷が閾値を超えると手が出なくなるという反応が起きているからです。


抜ける順番

全部を一度に戻そうとすると、必ず失敗します。

順番やること
1睡眠。ここが崩れていると他は全部効かない
2一つだけ選んで終わらせる(いちばん小さいもの)
3期限があるものだけ、期限順に並べる
4残りは、しばらく放っておくと決める

4を明示的に決めるのが効きます。 「あとでやる」のまま放置すると、それは負荷として残り続けます。 「今はやらない」と決めたものは、負荷から外れます。


一人で抱えないための現実的な話

生きづらさが長く続いているとき、自力で解決しようとしすぎることが多いです。

窓口何ができるか
まもろうよ こころ(厚生労働省)電話・SNSの相談窓口が一覧になっている
自立相談支援機関(生活困窮者自立支援制度)仕事・住まい・家計の相談。自治体ごとに設置されている

**どちらも「相談だけ」で使えます。**いきなり何かを決める場所ではありません。

**眠れない・食べられない・何も感じないという状態が続いているなら、 生活の工夫の範囲を超えています。**そのときは上の窓口を先に使ってほしいと思います。

このサイトは言葉について書いている場所で、 そこから先を扱える場所ではありません。それははっきりさせておきたいと思います。


「ポンコツ」という言葉について

最後に、この言葉そのものの話をします。

自分を「ポンコツ」と呼ぶのは、説明として便利です。 うまくいかない理由を一言で片づけられます。

ただ、その説明は何も分けてくれません。

眠れていないことも、環境が合っていないことも、 一時的に負荷が高いことも、全部まとめて「自分の性能」にしてしまいます。

分けられれば、手が出せるものが必ずいくつか残ります。 「ポンコツ」という一語は、その分ける作業を止めてしまいます。


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