ポンコツな保育士だと思ってしまう日
保育の仕事は、うまくいかなかったことが必ず目の前に残ります。
子どもが泣き止みませんでした。目を離した数秒でけがをさせてしまいました。 保護者の質問にうまく答えられませんでした。
どれも記録に残らないのに、自分の中にだけ蓄積していきます。
「自分がポンコツだから」の前に
保育現場でうまく回らないとき、 個人の力量より先に効いている条件がいくつもあります。
| 条件 | 何が起きるか |
|---|---|
| 一人あたりの担当人数が多い | 全員を同時に見ることが物理的に不可能になる |
| 書類仕事が持ち帰りになる | 睡眠が削れ、翌日の判断が鈍る |
| 行事の準備が通常業務に上乗せされる | 恒常的に余力ゼロで回すことになる |
| 相談できる先輩がいない | 判断を毎回一人で抱える |
| 保護者対応の方針が共有されていない | 個人の裁量で答えることになり、後で覆される |
これらは能力とは無関係に、同じ結果を生みます。
そして厄介なことに、この条件下でも回してしまう人がいます。 その人と比べられると、「自分だけができない」という結論になります。
比べる相手が偏っている
保育に限りませんが、身近な比較対象は同じ現場の人しかいません。
- 経験年数が違う
- 担当クラスの構成が違う
- 体力・生活状況が違う
条件が違う相手と、結果だけを比べています。 これは公平な比較ではないのに、日々の実感としてはそう感じられません。
それでも動かせる部分
環境が動かせないとき、負担を減らせる場所は限られます。
1. 判断の基準を先に決めておく
「けんかが起きたとき」「泣き止まないとき」など、 よくある場面の対応をあらかじめ決めておきましょう。 その場で考える回数が減ると、消耗が明確に減ります。
2. 記録を軽くする
書類は完璧を目指すと終わりません。 最低限の型を作って、毎回同じ形で埋めるほうが結果的に質が安定します。
3. 一人で判断しないものを決める
保護者対応・けが・アレルギー。 この3つは必ず誰かに共有すると決めておくと、 判断ミスの責任が個人に閉じなくなります。
続けられなくなる前に
保育の仕事は、限界が体に出るのが早いです。
・出勤前に涙が出る
・子どもの顔を見るのがつらい
・休みの日も、あの子は大丈夫かと考え続けている
3つ目は責任感の表れですが、同時に消耗のサインでもあります。 この状態が続くと、判断の質が落ちて、実際に事故のリスクが上がります。
「向いていないから辞める」ではなく、 「この条件では続けられないから離れる」という判断は、無責任ではありません。