ポンコツキャラの男性像
男性のポンコツキャラは、女性の場合と担っている役割が違います。
女性キャラのポンコツが「近づきやすさ」の設計だったのに対し、 男性キャラのポンコツは、たいてい別の目的で置かれています。
型の内訳
1. 残念なイケメン型
外見・能力ともに高いのに、中身が台無し。
ギャップの落差そのものが商品になっている型。 外見の描写を裏切ることが目的なので、欠落は派手であるほどよいです。
2. ダメ人間型
生活が崩壊しています。金がない、片づけない、約束を守らない、といった具合です。
この型は「かわいい」として処理されません。 女性キャラの同じ状態が愛嬌になるのに対し、 男性キャラは呆れの対象として描かれることが多いです。
代わりに担うのは、別の領域での凄みです。 生活が壊滅している人物が、専門領域だけは天才という組み合わせは定番になっています。
3. 頼りない上司・保護者型
立場は上なのに、実務は部下が回しています。
部下側の有能さを描くための装置として機能します。 この型のポンコツは、主役ではなく背景に近いです。
4. 努力型
女性キャラと共通する唯一の型。主人公として最も多いです。
「かわいい」が付きにくい
はっきりした非対称があります。
女性キャラのポンコツ → かわいい/守りたい/愛嬌
男性キャラのポンコツ → 面白い/呆れる/情けない
同じ属性なのに、返ってくる評価語が違います。
理由の一つは、男性キャラのポンコツが役割の不履行として読まれやすいことです。 守る側・稼ぐ側・引っ張る側という前提が置かれていると、 そこから外れることが「かわいさ」ではなく「不足」として処理されます。
これは現実の見られ方とも一致しています。 (→ポンコツな男性の特徴)
近年の変化
この非対称は、少しずつ崩れてきています。
- 男性キャラの生活能力の欠落が、愛嬌として描かれる例が増えた
- 「守る側」の前提を置かない作品が増えた
- ポンコツさを担当する性別が、作品ごとに入れ替わるようになった
属性が性別から切り離されるほど、この分類自体が意味を失っていきます。 それは健全な方向だと思います。